坐骨神経痛
坐骨神経痛とは?
坐骨神経痛とは、腰から脚にかけて走る痛みやしびれを特徴とする症状であり、これが起こると日常生活に大きな影響を及ぼします。
坐骨神経は人体で最も長く太い神経でその神経がさまざまな理由で圧迫や刺激を受けると坐骨神経の支配領域に沿った症状が発現します。
坐骨神経は腰椎から足先まで伸び、その長さゆえに様々な部位での圧迫や刺激によって症状が現れることがあるのです。
坐骨神経痛は誰にでも起こり得る神経痛ですが、特に中高年の人々に多くみられます。年齢を重ねるにつれて、組織の弾力性が減少したり、椎間板が劣化したりするため、神経を囲む構造が神経を圧迫しやすくなるのです。
坐骨神経痛の症状
坐骨神経痛の症状は個人によって異なるものの、以下の共通した特徴があります。
1.疼痛(痛み)
主に一側の腰から下肢にかけて鋭く、刺すような痛みを感じることが一般的です。この痛みは突然襲ってくることも多く、股関節を動かす動作に伴って悪化することも少なくありません。
2.しびれや感覚異常
物理的な神経の圧迫が原因で、太ももからふくらはぎ、足先にかけてしびれや感覚の異常が生じます。症状が重度になると触れても気づかない、または過敏に反応する場合があります。
3.筋力低下
疼痛(痛み)が強く発現するために脚の筋肉を日常的にも適切に使用できないことで、筋力が低下することがあります。筋力低下が起こるとさらに日常活動が制限されるため、相乗的に筋力低下を引き起こすスパイラルにはまってしまうこともあります。
4.動作時の困難
特に長時間立ち作業をする場合や、急に立ち上がったり座ったりする場合、急激に痛みが強くなることがあります。これにより、痛みを避けたい生理的心理がはたらき、日常生活での動作がしにくくなることが多いです。
坐骨神経痛の原因
坐骨神経痛の主な原因にはいくつかの要素があり、これらが複合的に影響を及ぼすこともあります。
1.椎間板ヘルニア
腰椎の椎間板とは、骨と骨の間にあるゴム状のクッション材の組織で身体を支持するためにとても重要なものです。椎間板は過度の負荷によって中心の髄核が飛び出すことがあります。飛び出したヘルニア組織が坐骨神経を圧迫して痛みを引き起こします。
2.脊柱管狭窄症
加齢による退行変性で脊柱管が狭くなることで、直接的に神経が圧迫されます。これにより坐骨神経痛が生じることがあります。
3.梨状筋症候群
梨状筋というお尻の深層にある筋肉が緊張し、そのすぐ下を通る坐骨神経を圧迫することがあります。先天的な場合もありますが筋肉の過緊張が高まることで症状が発生するためこれが痛みの原因となる場合も多いです。
4.病気や感染による発症
幸いにして稀ですが、事故や怪我、または感染症が原因で炎症が生じ、神経が影響を受けることがあります。
5.腫瘍や血腫
まれに腫瘍や内出血が神経を圧迫することで坐骨神経痛を引き起こすケースもあります。
坐骨神経痛の診断方法
接骨院では問診や徒手検査と呼ばれる検査法で状態を確認します。より症状が重たい場合は病院、クリニックへの受診を提案いたします。
1.問診
症状の始まりや痛みの性質、日常生活への影響について詳細に聞き取ります。これにより、疑われる原因をある程度絞り込むことが可能です。
2.身体検査(徒手検査)
神経学的検査を行い、感覚異常や筋力の低下、反射の変化等を確認します。これによって、どの神経がどの程度影響を受けているかを把握します。
3.画像診断
X線、MRI、CTスキャンを用いて、椎間板の状態や脊柱管の狭窄、その他の構造的異常を確認します。MRIは特に神経や軟部組織の詳細を見るのに適しています。(※画像診断は接骨院では行えません。病院、クリニックなどの医療機関での対応となります。)
4.電気診断
神経伝導速度検査や筋電図により、神経の障害の程度や部位を特定することが可能です。
坐骨神経痛の治療法
坐骨神経痛の治療は、長期間を要する場合も多くその方法もさまざまです。症状の原因や重症度に応じて、適切な治療法が選ばれます。
1.薬物療法(※病院、クリニックなどの医療機関対応)
・消炎鎮痛剤(NSAIDs):** 症状が軽度から中等度である場合に使用され、炎症と痛みを軽減します。
・筋弛緩薬:筋肉の過緊張を和らげ、間接的に神経への圧迫を減少させます。
・抗てんかん薬や抗うつ薬:中枢神経系に働きかけて痛みを緩和するために用いられることがあります。
2.理学療法
専門の理学療法士による個別のリハビリプログラムが組まれます。ストレッチや強化運動を通じて筋肉の柔軟性や強度を改善し、再発を防ぎます。姿勢の指導を行い、日常生活での負担を軽減する方法を学びます。
3.注射療法
・ステロイド注射:炎症を直接神経周囲で抑えることで即効性が期待でき、痛みを迅速に和らげる効果があります。
4.手術
・症状が慢性的で、他の治療に反応しない場合には、椎間板ヘルニア除去術や神経根圧迫の軽減手術が検討されることがあります。
セルフケアと予防法
症状の軽減と再発予防には日常生活の中で意識するセルフケアと予防が重要です。
日常的な運動
筋肉を柔軟にし、体重を適正に保つことは、神経への負担を減らす鍵です。まずは軽い負荷をかけながら周囲を動かすことのできるウォーキング、水泳、ヨガなどが効果的です。
体重管理
体重が多いとさまざまな関節や筋肉に日常的な負荷がかかります。適切な体重を維持することで、腰や背骨にかかる負担を軽減し、神経圧迫の原因を減らします。
正しい姿勢の保持
作業や長時間の座位・立位において、正しい姿勢を心がけることで、慢性的な圧迫を避けることができます。
生活習慣の修正
長時間の座り仕事や悪い姿勢を改善し、適切な休憩を取り入れることで、症状の悪化を防ぐことができます。
坐骨神経痛の影響とサポート
下半身の動きや姿勢の維持をつかさどる坐骨神経痛が生活に及ぼす影響は計り知れません。
活動制限や生活の質の低下を引き起こすことも珍しくなく、特に長期化するほど心理的な負担も大きくなりがちです。そのため、周囲の理解と適切なサポートが求められます。家族や職場の協力を得ることで、精神的な負荷を軽減しやすくなります。
また、身体的な制約が伴う場合には、カウンセリングを受けることで心のサポートを得るのも一つの方法です。
坐骨神経痛でお悩みの方へ
坐骨神経痛は非常に一般的な健康問題であり、多くの要因から引き起こされる可能性があります。
適切な状態判断と正しい施術を通じて、疼痛管理と症状の改善が可能です。
自己予防とセルフケアの意識は非常に重要であり、痛みを感じた際には専門家のアドバイスを求め、一人ひとりに適した治療計画を立てることが、生活の質向上のカギになります。相互理解を深め、持続的に症状を管理することが大切です。
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